カナダなど豪雪地帯にある都市はいくつかありますが、日本の東北や北海道ほど、その人口は多くないみたいです。意外と知られていないのですが、実は日本は世界でも有数の雪国。特に、降雪地域にこんなに人口の多い都市があるのは世界的にも稀との事です。人口10万人以上の都市の年間降雪量を比較すると、なんとトップ10に日本の都市が4か所もランクインするのだとか。
1位に青森市 2位に札幌市 3位に富山市 7位に秋田市
雪国にこれほどたくさんの人が生活している地域はとても珍しいのです。
しかしその分、雪に関する災害も多いのも事実です。
- 雪国のリスク
- 融雪洪水の被害
- 火災保険申請で補償される
- 火災保険申請『火災保険申請サポート会社』を使うメリット
豪雪地帯では、雪によって家屋や設備が損害を受けるリスクがあります。豪雪地帯に住む方は、火災保険で雪による損害がカバーできているか確認することが大切です。
このコラムでは、雪災の内容や火災保険の補償対象となる事例、保険金の請求方法などをわかりやすく解説します。
2022年(令和4年)の大雪は記録的な積雪や被害も多発
2021年12月中旬以降、寒帯ジェット気流が日本付近で大きく蛇行したため、日本付近に繰り返し寒気が流れ込み、低温や大雪となりました。
この原因として、同年秋から発生したラニーニャ現象や北極付近に存在する非常に強い寒気を伴った複数の極渦の南下などが大きく影響したと考えられています。
また、平年より日本海側の海水温が2℃以上も上昇したため、極低気圧が能登沖・佐渡沖・秋田沖・津軽海峡周辺に度々発生し、主に北陸・東北の各日本海側を中心に断続的な降雪が連日に渡り続く現象も見られました。
2022年2月24日までの記録的な積雪データ(一部)
新潟県津南町では、2月24日(木)午前1時の積雪は419cm
1989年の統計開始以来、観測史上1位の積雪を観測
北海道の千歳空港では2月23日(水)午前10時の積雪は123cm
統計開始以来、観測史上1位の積雪を観測、また胆振地方の安平町で126cm、石狩地方の新千歳空港で122cm、恵庭市下島松で154cmなど、2月22日時点で統計史上1位の記録を更新した地域でしたが、23日にかけて再び1位の記録を更新し、新千歳空港など平年の3倍以上の積雪となりました。
東海地方では岐阜県関ケ原町で2月5日から6日にかけて記録的な大雪となり、6日に91センチの積雪を確認。観測を始めた1997年以降で最も深く積もった。冬場の大雪の原因として多い「日本海寒帯気団収束帯」(JPCZ)という現象によるもので、若狭湾から関ケ原へと雪雲の流れ込みが続き、大量の雪を降らせた。
同じく岐阜県白川村では2月7日の大雪により積雪の深さが226cmとなり、今季初めて2メートルを超えた。
また、雪崩は広範囲で甚大な被害になることが多いため、都道府県や市町村のホームページのハザードマップで、どの地域で雪崩が発生しやすいかを確認しておくとよいでしょう。日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)
※「日本海寒帯気団収束帯」とは冬の日本海では、暖流である対馬海流などの影響で比較的暖かい海水の上を、寒気団の冷たい風が通り抜けることで、背の低い雪雲ができる。本来であれば、雲の高さは2,000mから3,000m程度である。また、気象衛星の雲画像でも分かるように、雪雲は筋状に何十本も平行に並ぶ(筋状収束雲) しかし時に、この筋が平行ではなく、一定のラインで衝突することがある。これが日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)である。
JPCZのライン上では、しばしば小さな台風のような渦が発生し、これに伴って小さな低気圧が発生し、その中心では雷や雹といった激しい天候になることがある。また、JPCZは主に日本海側の雪に影響を及ぼすが、日本列島を越えて太平洋側にまで伸びることもある。
雪解け時に起こる融雪洪水
融雪洪水とは多量の積雪が急激な気温上昇などによって一時的に溶け河川を増水させて起こる洪水です。
実際に【雪国は4月に川の水量が多い】
【暖かい日ほど注意が必要】
春先から初夏にかけての川の増水には次のような特徴があります。
・天気が良く暖かいと雪解けが進み川が増水する。
・特に暖かい風が吹くときは雪解けが進行する。
・川の水は雪解け水が多いため温度が低い。
融雪での被害は 4 月頃から多くなりますが、雪の多い北海道では、気温が高くなる 3 月から影響が大きくなります。3 月中旬以降になると一日の平均気温が 5 度になることもありますが、一日の平均気温が 5 度になると、積雪がある場合、約 7 センチ減る計算になり、減った分の水分は雨量にすると約 27 ミリの雨が降った量に相当します。
また、積雪量が 10 センチ減ると、雨量に換算すると約 32 ミリの雨に相当します。
このためこの条件で 50 ミリの雨があったとすると、雪解け水も加わって 70~80 ミリの雨が降った時の同じ状況になります。
北海道の防災注意報はこちらでご確認出来ます。
参照 北海道総務部危機対策局危機対策課防災グループ 北海道防災情報
融雪洪水になるとどんな被害があるか
雪解け水が河川に流れ込むことにより、河川の推移が急激に上昇することがあります。
河川氾濫を起こして周辺地域が浸水し、住宅の浸水被害をもたらすもあり、水害への備えが大切です。
床上浸水と床下浸水の定義
床下浸水
床下浸水は、浸水深0.5mぐらいまでの高さで、床より下の部分まで浸水していることを指します。
床上浸水
床上浸水は浸水深0.5m以上、部屋の床の上まで水が溜まってしまった状態を指しています。
水賃貸物件の場合は浸水深が一般家屋と異なることがあるが、それでも床上浸水が発生してしまうと部屋や家具、建物に被害が出る可能性があります。
浸水深と浸水程度の目安
浸水深 | 浸水程度の目安 |
0~0.5m | 大人の膝までつかる (床下浸水) |
0.5m~1m | 大人の腰までつかる (床上浸水) |
1.0m~2.0m | 1階の軒下までの浸水 |
2.0m~5.0m | 2階の軒下まで浸水 |
5.0m~ | 2階以上の屋根などが浸水 |
床上浸水で建物や家具に被害があった場合
床上浸水で建物や家具に被害があった場合、火災保険で補償を受けれる場合があります。
火災保険は加入する補償内容にもよりますが、火災・風災・水災・水害・破損などの被害があった場合に保険金が受け取れる保険です。また別途で地震保険やにも加入することで地震被害時にも保険が適用されます。また、大雪や豪雪、雪崩などの雪害で、自宅や家財に被害が生じた場合は、火災保険の【雪災補償】で補償されます。基本的に【風災・雹(ひょう)災・雪災】はセットになっていて、多くの火災保険で、加入すると初めからついている補償です。
ただし、雪による被害でも、「雪災補償」と「水災補償」があるので補償内容の確認が必要です。
雪災(雪害)とは
雪災とは、雪の重みや落下などによる事故または雪崩のことをいい、融雪水の漏入や凍結、融雪洪水、除雪作業による事故は除かれます。雪による被害でも雪災補償の対象外となる被害があるということですので注意が必要です。
水災(水害)とは
水災(水害)とは、台風や暴風雨、豪雨などによる洪水、高潮、土砂崩れなどによる災害のことをいいます。 豪雪地域では融雪洪水といって溶けた雪による床上浸水などがあげられます。
たとえ雪が原因の災害であっても、雪解けで発生する洪水は「雪災」ではなく、「水災」で補償されます。雪による被害を広く補償したい場合は、水災補償をつけておくことを検討してみましょう。
雪解け水による洪水(融雪洪水)により保険の対象である建物または、保険の対象である家財を収容する建物が床上浸水を被った結果、生じた損害は、「水災補償」の補償の対象となります。床上浸水に至らない場合は、補償の対象とはなりません。また、融雪洪水による損害は、「風災、雹(ひょう)災および雪災補償」の補償対象とはなりません。
また、火災保険では、保険の対象を建物のみ、家財のみ、建物と家財の3つの中から選びます。保険の対象をどのように選択するかによって、補償される損害が異なります。
保険の対象を建物のみとした場合、建物本体だけでなく、建物がある敷地内に設置されたもので、かつ保有しているものは補償されます。床暖房やトイレ、システムバス、システムキッチンなどのように、建物のなかにあるものでも動かせないものは建物とみなされます。
保険の対象を家財のみとした場合、建物がある敷地内に収容される家財が補償されます。家具やテレビ、冷蔵庫などの家電製品、自転車など生活用動産が該当します。保険の対象を建物と家財とした場合は、建物と家財の両方が補償されます。
補償の内容を理解しておかないと損してしまうこともあるので、浸水被害に関する知識を持っておかなくてはいけません。
雪災と雹災の種類
- 屋根に積もった雪が落雪してカーポート、軒先、雨樋を壊してしまった。
- 降り積もった雪の重みで屋根の軒先が変形、瓦が割れたしまった。
- 雪のせいで雨漏りが発生した。
- アンテナや太陽光パネルが、大雪のせいで破損した。
- 雪が原因で給湯器や室外機が故障。
- 隣家からの落雪で、自宅の壁、フェンス等が破損。
雹(ひょう)災の被害例
雹による被害のこと。
- 雹により窓ガラスが割れてしまった。
- 雹により屋根、外壁への損傷。など
上記のような被害が出た場合、火災保険を適用することができます。
融雪洪水によって床上浸水した損害は、火災保険に水災補償をつけていると補償の対象となります。保険の対象が建物か家財のどちらか一方の場合は、それぞれ該当する対象物しか補償されません。
雪災の被害例
- 落雪でカーポートの天井が壊れた
- 雪の重みで建物の屋根が変形した
- 近くの山で起きた雪崩に巻き込まれ、建物も家財も被害に遭った
- 雪解け水で洪水が起きて床上浸水し、家財が水浸しになった
- スキー場で転んで骨折した
雪による被害を補償する保険
被害例①:落雪でカーポートの天井が壊れた
落雪によるカーポートの損害は、火災保険の雪災補償の対象となります。ただし、保険の対象を建物としていて、カーポートの延床面積が66㎡未満の場合です。
被害例②:雪の重みで建物の屋根が変形した
雪災で屋根に損害があった場合は、火災保険で保険の対象を建物にしていて、雪災補償がついていると補償の対象となります。
被害例③:近くの山で起きた雪崩に巻き込まれ、建物も家財も被害に遭った
建物も家財も雪崩に巻き込まれた場合は、火災保険でいずれも保険の対象としていて、雪災補償がついていると補償の対象となります。仮に、建物のみを保険の対象としている場合は、建物の損害のみが補償の対象となります。
被害例④:雪解け水で洪水が起きて床上浸水し、家財が水浸しになった
融雪洪水によって床上浸水した損害は、火災保険に水災補償をつけていると補償の対象となります。保険の対象が建物か家財のどちらか一方の場合は、それぞれ該当する対象物しか補償されません。
被害例⑤:スキー場で転んで骨折した
骨折した場合は、ケガの原因が雪によるものであっても、そうでなくても損害保険あるいは医療保険の補償の対象となります。傷害保険は、通院のみのケガも補償が受けられますが、医療保険は、一般的には入院を伴うケガの場合に補償が受けられます。
【重要】雪解け水で洪水が起きて床上浸水し、家財が水浸しになった
火災保険では、保険の対象を建物のみ、家財のみ、建物と家財の3つの中から選びます。
保険の対象をどのように選択するかによって、水災に遭ったときに補償される損害が異なります。
保険の対象を建物のみとした場合、建物本体だけでなく、建物がある敷地内に設置されたもので、かつ保有しているものは補償されます。床暖房やトイレ、システムバス、システムキッチンなどのように、建物のなかにあるものでも動かせないものは建物とみなされます。保険の対象を家財のみとした場合、建物がある敷地内に収容される家財が補償されます。家具やテレビ、冷蔵庫などの家電製品、自転車など生活用動産が該当します。保険の対象を建物と家財とした場合は、建物と家財の両方が補償されます。
ページ下部のお申込フォームからお申込、またはお電話にてお問い合わせ下さい。
現地調査の日程調整のため、お申込から1営業日以内に担当者よりご連絡させて頂きます。ご都合のよい日時をお伝え下さい。
破損個所が火災保険の適用個所になるか専門スタッフが現地に伺い、30分~1時間程度調査を実施致します。申請可否については調査完了後、お伝えさせて頂きます。※被災箇所が見受けられない場合はその場でサポート終了とし、費用の請求等は一切ございませんのでご安心下さい。
自然災害により家屋の被害を受けた旨をご加入中の保険会社様にご連絡(事故受付連絡)頂き、申請に必要な書類を取り寄せていただきます。
調査内容をもとに修繕見積書と調査報告書をお客様へお送りいたしますので、申請書類と一緒に保険会社に送付頂きます。
申請資料を元に審査が行われますが、指摘事項があった場合、保険会社や鑑定人に対して被害状況の説明を行います。
保険会社様の回答の結果、損傷が認められた場合、保険会社様からご入金がございますので、ご確認ください。
保険会社様よりご入金額が確認できましたら、弊社よりご請求書をお送りいたしますので、手数料送金ください。申請内容が認められないなどの理由で、保険金が受け取れなかった場合は一切費用はいただいておりません。
火災保険は掛け捨て保険のため、契約満了時に保険金が返ってくることはありません。万が一の保険といえど、掛け捨てで支払って、更新時には保険料が高くなるというのは理不尽だと思います。ですので火災保険にお金を払い続けているのであれば一度申請されてみるのも方法の一つだと思います。
お問い合わせを頂きましたら、全国の現地調査員(自然災害調査士などの専門業者、地元工務店、工事業者など)と連携し、すぐに調査にお伺いします。もちろん「完全成果報酬制」のため調査費用は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。