水道管(給水管)や排水管などの給排水管のトラブルは予期せぬ時に起こってしまいます。特に冬場の急に気温が下がったときに凍結してしまい、朝起きたときには時すでに遅し、修理代をどうしようと悩んでしまいます。
そんな水道管や排水管の水漏れ修理ですが、火災保険で場合によっては補償されるんです。今回は水道管や排水管の水漏れの火災保険の補償される内容、また保険金の請求方法について解説していきます。
水道管や排水管の水漏れに補償される火災保険の特約
火災保険では、基本的には給排水設備そのものの修理費用は補償の対象外となっています。基本の補償対象となるのは、給排水管設備のトラブルで水が漏れ出したことが原因による建物や家財への損害は、火災保険の「水濡れ」補償によって生じた損害が補償されます。
しかし、『水道管凍結修理費用保険金』という特約を付けておけば、水道管の修理費用を10万円を上限として補償されます。
補償される特約の詳細内容
水道管凍結修理費用保険金
建物の水道管が凍結によって損壊を受け、これを修理する場合に1回の事故につき、10万円を限度として実費費用が支払われます。
あくまでも保険金の額は損害発生直前の状態に復旧することが前提です。また、先に修理を進める場合には、写真と修理見積書が必要です。
水漏れ補償
水漏れ補償の内容は保険会社や保険商品によって若干異なりますが、自宅の給排水管設備の事故や他人の戸室(アパートなどの場合)で生じた事故による水漏れで、住宅に損害を受けた時に保険金を受け取れる補償です。
壁紙や天井、床などが濡れて張替が必要、家電が水に浸かって故障して交換が必要、窓ガラスが割れて交換が必要 など
水濡れ補償の支払い実績
損害保険料率算出機構では、火災保険の水濡れ補償の支払い件数、支払い金額を1年ごとにまとめています。
水濡れ | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|---|---|---|---|
件数(件) | 38,290件 | 42,470件 | 42,058件 | 47,499件 | 57,693件 | 57,868件 |
支払額(千円) | 22,489,807 | 28,525,125 | 26,640,880 | 31,957,528 | 39,201,622 | 39,759,592 |
2016年度~2021年度の間では年々支払い件数が増加しています。
水濡れ補償のポイント
ポイントは「原因が何か」ということです。自宅で水濡れが発生した場合に、水濡れの補償を受けるには、あくまでも「給排水設備の事故」でなければいけません。しかし、他人の戸室などで起きた水濡れによって損害を受けた場合は、原因が給排水設備ではなくても補償されます。
水道管や排水管の水漏れによる損害の火災保険申請手順
実際に落雷事故が発生し損害を受けたときの、一般的な保険金の請求方法とその流れを下記に記します。
水漏れにより被害を受けた旨を保険会社に連絡(事故受付連絡)し、申請に必要な書類を取り寄せ。
保険会社から届いた申請書類と、修繕見積書、被害状況報告書を保険会社に送付。
申請資料を元に審査が行われます。
(原則、損害保険登録鑑定人による現地調査があります。)
保険会社の審査、回答の結果、損傷が認められた場合、保険金が支払われます。
上記の内容で請求はできますが、「修繕見積書」と「被害状況報告書」の作成は最低限依頼する必要があります。
火災保険申請サポートの利用
火災保険申請には火災保険申請サポート会社の利用をお考え下さい。
そもそも損害保険会社側には”損害保険登録鑑定人”がいますが、被災者側の立場にたったサポーターが存在しません。請求をする準備段階である建物損傷/損害調査、また被災状況の確認資料作成等を親身になってアドバイスしてくれる専門家が不在です。そこで被災者の立場にたって一連の保険請求業務をサポートしてくれる存在が火災保険申請サポート会社です。
損害箇所が補償の対象か、保険金がいくらかを判断するのは、保険のプロである保険会社です。素人がプロを説得して保険金をもらうという時点で、審査落ちのリスクも高く、加入者側がかなり損をしやすい構造です。
まとめ
水のトラブルで住宅の給排水管設備の修理が必要となった場合、慌てずまずはご加入の火災保険の内容を確認しましょう。もし、特約に『水道管凍結修理費用保険金』があれば水道設備の修理代も補償されますし、『水濡れ補償』があれば濡れて被害に遭ったものの補償も受けられます。
しかし、第一に水のトラブルが起きないようにするためにも、給排水管設備の点検、清掃、メンテナンスなどは定期的に行うことが大事です。
保険の申請にお困りの際にはご相談ください。
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